
長らく続いた行動制限が緩和された今年のゴールデンウィーク。
久しぶりの外出を楽しんだ方も多いことだろう。
やきもの産地では各地で陶器市が本格開催され、参加する窯元もお客様を迎える準備に勤しんでいた。
そんな中、224porcelainはというと、今年も唐津のやきもん祭りに参加していた。
嬉野の肥前吉田焼である224porcelainがなぜ唐津?と疑問に思われるかもしれないが、
「肥前吉田焼は224porcelainを含め、他産地の陶器市へ参加することが多いですね。
まだまだ認知度が低いので、各地の陶器市に参加して知ってもらうことで
嬉野や吉田へ来てもらうPRになれば良いと思います」と224porcelain代表の辻諭さん。
「土もの(陶器)の作家さんがほとんどの唐津のやきもん祭りで、磁器を扱う224porcelainは異色ではありますが、
唐津で出会う人々は、作り手へリスペクトを感じることが多く、気に入っています」
今回は、いわゆる訳あり品とされる「えくぼとほくろ」を中心とした品揃えで参加した224porcelain。
「おかげさまで通常在庫が品薄のため、やきもん祭り用に商品の確保が難しくて」と話す辻さん。
会場には、ものづくりの工程を紹介するポップなども掲示されており、「えくぼとほくろ」のプロジェクトを知ってもらうことで
結果的に、ものづくりへの理解を深めることにもつながったのではないかと感じた。
中には、漫画家の久住昌之さんとのコラボレーションによる「ふらっとぐい飲み」などもあり、
お宝探しも楽しめたのではないだろうか。
唐津のやきもん祭りは、お客様ももちろん楽しみにしているが、参加する作家さん同士も
お互いの交流を楽しみにしているお祭りだ。
辻さんもしかりで、
「顔見知りも増え、色々な作家さんの酒器を買いました。家で日本酒を呑むのが楽しみです」と満喫した様子。
最後に、コロナ後本格開催となった今年の陶器市について話を聞くと
「有田、伊万里、唐津、波佐見とたくさんの人が買い物へお越しくださいました。
これはとてもありがたいことで、お客様に喜んでもらえるものづくりをすることはもちろんですが、
利便性の問題やコンテンツを充実させるような取り組みがもっとあってもいいのかなと思います。
個々での努力、行政の協力も含め、まだまだ良くなるのではないかと思います」
産地全体を想う真摯な言葉が返ってきた。
写真・文:ハマノユリコ