224 Journal

224 JOURNAL Vol.94 – 224porcelainで働くという選択

伝統産業関連のニュースがあると「職人不足」や「後継者がいない」という話題をよく耳にすることだろう。

有田焼や波佐見焼など肥前地区のやきものの多くは分業制で成り立っており、224porcelainが属する肥前吉田焼もしかりである。

中でも生地屋さんや型屋さんの高齢化や廃業などが深刻化していて、窯元である224porcelainのものづくりにもダイレクトに影響がでているという。

この日は、tataのマグカップの生地作りが行われていた

久しぶりに訪れると、第二スタジオが生地工場になっていた!

224porcelainではデジタル技術をいち早く取り入れ、石膏型のNC切削など内製化を進めているが、
最近ではなんと生地作りも始めたようだ。

「産地では生地職人が不足していて、生地屋さんに頼んでも納期が間に合わないことが増えてきて」

生地工場として小規模ながら設備を整え、新たなスタッフに生地づくりの技術を身につけてもらっているという。

「窯場で釉薬をかけたり窯焚きを担当するスタッフや、こうして生地作りをしてくれるスタッフ、
ショップでの販売や、梱包発送などバックヤードの仕事もあり、
224porcelainに関わってもらっているスタッフも10人を超えました」(224porcelain代表・辻諭さん)

 

検品や梱包など出荷作業に勤しむスタッフの皆さん

それでもまだまだ人手が足りないようで、週2~3日でもいいから手伝ってくれる方を募集しているそうだ。

どんな人が向いているのだろう?
応募条件を聞いてみると、

・焼きものが好きな方
・モノづくりに興味がある方

うんうん、まずはそこですよね。

・人並みに体力がある方

確かに、器もまとめて運ぶと相当な重さだし、石膏型もかなりの重量!

・車の普通免許を持っている方

土地柄、車が運転できないと移動手段がないので必須ですよね。
通勤もそうだし、窯場と第二スタジオを行き来したり、ショップに届けたり、車が必要な場面はたくさんありそう。

・経験者は優遇しますが、初心者でも全然OK
・遠方の場合は嬉野へ引っ越す、一歩踏み出す勇気がある方

ふむふむ。ここは応募する方も一番心配な部分でしょう。
今いるスタッフも副業をしていたり、週2~3日アルバイトとして窯で働いて、残りは自分の作家活動を優先したり、
さまざまな働き方ができるので、まずは相談してみて!

そういえば、若い作家さんを支援するような活動をしたいと以前から話していた辻さん。
今後シェア工房の構想もあるとのことで楽しみだ。

雇用の創出や、移住者のサポートも、産地が抱える問題のひとつ。
224porcelainで働くことをきっかけに、やきもの産地に関わる人が増えていくことを願う。

写真・文:ハマノユリコ

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