224 Journal

224 JOURNAL Vol.97 – 同窓の縁がとりもつ「ROKUJO CUISINE」

 

2023年9月、224porcelainの作り手・辻諭さんと、フランス料理シェフ・小岸明寛さん、茶師・松尾俊一さんによる
食のイベント「ROKUJO CUISINE(ロクジョウ キュイジーヌ)」が嬉野で開催された。

「ロクジョウ」って何?と思う方もいるかもしれないが、佐賀県民なら耳馴染みがあるのだろう。
佐賀県立鹿島高校の卒業生を総称して「ROKUJO(鹿城)」というそうだ。

つまり「ROKUJO CUISINE(ロクジョウ キュイジーヌ)」は、同じ時代に佐賀県立鹿島高校で学び、
卒業後は「フランス料理」「嬉野茶」「肥前吉田焼」それぞれの分野で活躍する3人の鹿城生によるコラボレーションイベント。

こんな楽しそうなイベントに参加することが叶わなかったのが残念でならないが、
今回は、皆さんの熱い思いを紹介できればと思う。

辻さんの高校時代の同級生でもあり、20年間、数々の三ツ星レストランで研鑽を積んだ人気フレンチシェフ・小岸明寛さんは、
2023年11月、福岡でレストラン「KOGISHI」を開業。ROKUJO CUISINEは、その開業準備中の忙しい合間をぬって行われた。

小岸シェフの作り上げるフレンチメニューに、ティーペアリングをするのは、茶葉開発のスペシャリスト・松尾俊一さん。
小岸シェフや辻さんよりひとつ年上で、バレーボール部では小岸さんと先輩後輩の仲だったらしい。

そして224porcelainの辻諭さんが、料理に合わせて器を開発するという取り組みだが、さて今回はいったいいくつの器を開発したのだろう?

▲クレームダンジュを盛り付けたプレート「花」

▲ありたどりのソテーを盛り付けたプレート「風」

届いた写真をみると、あれもこれもと新しい形状が目に飛び込んできて、その大変さは想像に難くない。

でもそれだけに、フランス料理×嬉野茶×肥前吉田焼のコラボレーションがどんな形で昇華したのか興味が湧くというものだ。

イベントのテーマは原点回帰。
企画した佐賀県庁の安富さんの言葉をお借りすると

「小岸さんが作るクラシックスタイルのフレンチは原点回帰のテーマに相応しく、忘れかけていた食の格式を思い出させてくれましたし、
松尾さんは様々な野草やハーブと茶葉を組み合わせた複雑なんだけど、口に入れた瞬間に多幸感が広がる孤高の天才っぷりを如何なく発揮してくださいました」

そして、辻さんの器は?

「とんでもなく忙しい中で小岸さんと松尾さんのためにオリジナルの器を制作してくれた辻さん。
完成したのがイベント当日、しかもスタート直前というライブ感にみんなドキドキしましたが、最後の最後に仕上げてくるあたりはさすがでした」

ああ、やっぱり、いつもどおりですね(苦笑)

頑張りすぎて辻さんの体調はボロボロ、倒れこむような状態だったとの後日談も。

ちなみに、企画された佐賀県庁の安富さんも鹿島高校の卒業生。
茶師の松尾さんが3年生、小岸シェフと辻さんが2年生のとき、1年生だったそうで、同時期に在籍していた不思議なご縁がきっかけになっている。

会うたびに「鹿城生でいつかイベントやりたいね」という話を繰り返し続け、数年越しに実現した待望の企画と聞くが、
8月中旬に決まって9月下旬開催、準備期間わずか1ヶ月ほどのタイトスケジュールだったことを付け加えておこう。

それぞれの分野で活躍する3人が、互いに刺激を受けながらさらなるステージへと進んでいく姿を引き続き楽しみに見守りたい。

ROKUJO CUISINE のための器は、プロジェクトページにてご紹介しています。

文:ハマノユリコ

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