224 Journal

224 JOURNAL Vol.29 – モノトーンと直線で表現した、香りとの調和「KITOWA」

和多屋別荘 KITOWA展

この春、香りでいろいろなものが繋がった。

224porcelainでも何かと企画をご一緒することが多い、嬉野の老舗温泉旅館・和多屋別荘。
ここで2018年4月7日から5月31日まで開催されているのが、
日本香堂が開発した新ブランド「KITOWA(キトワ)」とのコラボレーション展示だ。

「KITOWA」は、日本の伝統的な樹木である和木のオイルをベースとしたファインフレグランスで、
その凛として落ち着いた香りの世界をモノトーンで表現したスタイリッシュなデザインにも注目が集まっている。

ロゴやパッケージなどのデザインを担当したのは、SUWA DESIGN STUDIOのスワミヤさん。

専用のポーセリンディフューザーやポーセリンインセンスホルダーを製作したのが、
224porcelainの辻さんだ。通常、藤などの素材を用いることが多いインセンススティックも、
新素材の多孔質セラミックスを使用して224porcelainで製作している。

ブランドイメージに合わせ、直線を重視し、角材や鉋の形状を意識したというスワさん。

歪みのない直線を実現することは、やきものの世界では難しいとされる表現の一つだが、
辻さんはそうしたクライアントの要望に技術で応えていく。

「特に難しかったのが、インセンスホルダーの縁の部分ですね。
釉薬のかかり具合によって仕上がりが盛り上がってしまうところを、
逆に生地にくぼみをつけることで釉薬による厚みを吸収し、平らな面を実現しています」

上品な仕上がりの裏で、職人たちの細やかな工夫が施されている。

こうしたご縁から、4月18日に有田町のアリタセラ(旧 有田陶磁の里プラザ)にオープンした
ホテル&レストラン「arita huis」(運営:和多屋別荘)のロゴデザインは、
スワさんに作成いただくことになり、施設内のフレグランスとして「KITOWA」も採用されている。

肥前吉田でのものづくりから、嬉野や有田へ、香りが繋いだ嬉しいご縁を感じた一幕だ。

文:ハマノユリコ

協力:
和多屋別荘
http://www.wataya.co.jp

KITOWA
https://kitowa.jp/

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