見ているとちょっと恥ずかしくなってしまいそうな「しょうゆ差し」。ハイ、あくまでもしょうゆ差し!
作品名はついていない。
あえてつけるならば?と製作者である224porcelainの辻さんに問うと、皆さんご想像通りの単語が飛び出した。
いや、私の口からは言えないでしょう・・・。
さて、このアートなしょうゆ差しのデザイン案を手がけたのは、映画監督でありコメディアンのビートたけしさん。
2016年1月にパリで開催された国際見本市「Maison & Objet(メゾン・エ・オブジェ)」に出展した作品だ。
辻さんが、ビートたけしさんと組んで製作を担当した。
商品開発とひとくちに言っても、関わるクリエイターのスタンスはさまざまだ。
ビートたけしさんからの提案は、「こんなものを作ってみたら?」というアイデアスケッチ。
非常にラフなスケッチで、用途や機能までは言及しない。
イメージを膨らませ形に落とし込んでいくのは窯元の腕の見せ所だ。
そうして出来上がったのがこの「しょうゆ差し」。たけしさんはどう感じているのだろうか?
東京での Maison & Objet 凱旋帰国展開催の折、会場でじっくりと成果を確認するたけしさんの姿があった。
224porcelainでは、外部デザイナーとの開発案件も多く、今はちょうど「肥前吉田焼デザインコンペティション」受賞作品の商品化に携わっている。
「商品開発のプロジェクトでは、窯元が素材の特性を考慮し、しっかりディレクションをすることが大事だと思います。
224porcelainで培った外部デザイナーとのモノ作りの経験を生かしてサポートできれば」と奮闘中だ。
商品化されるコンペ受賞作品は、嬉野と東京の2会場でまもなくお披露目の時を迎える。
●肥前吉田焼デザインコンペティション 成果発表展
「小さな磁器産地、吉田で生まれた10のストーリー」
嬉野会場:2017年3月8日(水)-12日(日)和多屋別荘
東京会場:2017年3月16日(木)-26日(日)MINA-TO/スパイラル1F
写真・文:ハマノユリコ