
「肥前吉田焼産地の関係人口を増やす」 この10年、事あるごとに掲げてきた産地としての目標だ。
職人の高齢化や後継者不足など、ものづくり産地はどこも深刻な課題に直面しており、
この小さなやきもの産地、肥前吉田地区でもさまざまなチャレンジを進めていることは、 224ジャーナルで幾度となくご紹介してきた。
そうした試みが実を結びはじめたのか、最近では近隣の有田や波佐見からも 「面白い取り組みをしている」と注目されることが増えたという。
先日開催された東京インターナショナルギフトショーでも、そんな吉田の動きを感じることができる展示があった。
ACTIVE CREATORSのコーナーでお披露目された「よしださんち。」のプロジェクトだ。
「よしださんち。」とは、肥前吉田焼産地再生チャレンジ推進協議会が2023年に立ち上げた
肥前吉田焼と若手クリエイターをつなぐプロジェクトで、224porcelainもクリエイターのものづくりをサポートしている。
ブースには、発明家・高橋鴻介さんと取り組んだ、3Dプリンタで作った拡張パーツを組み合わる器「Corcelain コーセリン」や、
プロダクトデザイナー・上田一輝さんがデザインした、ラジオのような見た目の「dummy」も展示されていた。
肥前吉田焼の5つの窯元が九州大学の学生と取り組んだ商品開発プロジェクトでは、 手のひらサイズの湯たんぽ「ねこの湯」を224porcelainが担当。
ペットボトルのキャップを湯たんぽの蓋に活用することで、磁器製のネジの密閉度を高めたアイデアと それを実現する精度の高い技術が秀逸だった。
今回ギフトショーで「よしださんち。」のブースを視察し感じたのは、「関係人口が着実に増えている」ということだ。
こうして関わった学生やクリエイターの皆さんが、吉田焼産地を気にかけ、好きになり、
ときに遊びに、ときに仕事の相談にと関係性が深まっていく様子がみてとれるのがなんとも嬉しい。
「dummy」を発表した前述の上田さんは、10年前(2016年)に開催された「肥前吉田焼デザインコンペティション」で、
ウエダイゴ(上田 一輝・大五 亮太)として優秀賞を受賞し、224porcelainや吉田焼産地との関わりが続いている。
大五亮太さんもデザイン業界に身を置き、展示会などのイベントには必ず足を運んでくれる常連だ。
「ねこの湯」のデザインをした九州大学4年の印南貫太朗さんは、大学を卒業したら、
有田にある陶磁器専門の専修学校で専門技術を学びながら224poorcelainで職人として働くことを決めたという。
縁あって吉田焼産地に飛び込んでくれた若者たちに何を残せるのか。
46歳になった224の辻諭さんはさらに先の未来をみつめていた。
写真・文:ハマノユリコ









