
2025年2月、224porcelainは発明家・高橋鴻介さんとともに、チャレンジングなプロジェクトをスタートさせた。
224が作った磁器と、3Dプリンタで作った拡張パーツを組み合わせ、自分好みにカスタマイズできる器「Corcelain コーセリン」だ。
異素材の組み合わせという発想は既存の器でも目にするが、このプロダクトの面白いところは、
Corcelainのオープンデータを公開し、3Dプリンタで自在に拡張パーツをデザインできるようにしていることだろう。
磁器の底面、高台の部分をネジ穴状に仕上げ、3Dプリントしたパーツを取り付けることで、
カップや植木鉢、おもちゃなどさまざまな用途に拡張することができる。
すでに専用のオンラインショップで販売を開始しており、完成イメージの事例写真も掲載されているのでぜひご覧いただきたい。
世界的な3Dプリンタユーザー/メイカーコミュニティであるMakerWorldと協働し、Corcelainを用いたデザインコンテストも開催された。
「このプロダクトを通じて伝統工芸とデジタルクラフトをつなぎ、
伝統工芸産業と若いクリエイターとの間にコラボレーションを生み出したい」と意気込みを見せる。
使い方は使う人の想像力次第。
「Corcelain」は、作り手が用途を提案するのではなく、使い手が用途を探求し、機能を見出すことによって完成する新たな概念の器だ。
「この20年の間にデジタルデザインは大きく進化しました。クリエイターやプロダクトデザイナーは3Dプリンターを使う人も多く、
磁器と3Dプリンターを組み合わせることで今までにないモノづくりを可能にすると思っています」と話すのは開発を担当した224porcelainの辻諭さん。
幅広いクリエイターからアイデアを募り、どんな変化を遂げていくのか今後の展開が楽しみだ。
※「Corcelain」の詳細は、プロジェクト事例でもご紹介しています。
文:ハマノユリコ