224 Journal

224 JOURNAL Vol.123 – 磁器に魂を宿す「攻殻機動隊 タチコマ」

その複雑な造形と美しい絵付けに目を奪われる、驚きの磁器アートがこのほどお披露目された。
鍋島焼窯元・畑萬陶苑との共創により実現した攻殻機動隊の「タチコマ」だ。

攻殻機動隊って何?思考戦車?タチコマ?というレベルの筆者(ハマノ)なので、ファンの方には大変申し訳ないのですが、と前置きしつつ、
今回の224ジャーナルでは肥前吉田焼と伊万里鍋島焼のコラボレーションによる大作を紹介しようと思う。

まず、『攻殻機動隊』とは世界中にファンを持つSF漫画だ。
原作が発表されてから37年。その間、さまざまな監督によりアニメ化されており、
そのアニメ制作30周年を記念した展覧会「攻殻機動隊展」が2026年1月30日より東京・虎ノ門ヒルズで始まり話題を集めている。

この展覧会に合わせて、全世界で限定50体の磁器製の「タチコマ」を製作・販売するというプロジェクトが、
なんと肥前吉田焼と伊万里鍋島焼の共創で進行していたのだ!

タチコマが何かを知らなかった筆者でも、その圧倒的に複雑な造形を目にして、このプロジェクトが一筋縄ではいかないことは想像に難くない。

デジタルデザインを駆使した焼きものづくりを得意とする224porcelainといえど、さすがにこれは
「もうやりたくないレベル(苦笑)」(224代表/辻諭さん談)とのこと。

「タチコマの特徴的なフォルムを細部まで磁器で再現するために、一から3Dモデルを設計しました」
さらに
「指や関節の太さ、爪の強度、各パーツの収縮率まで細かく検証し、焼成後に最も美しく、かつ長く愛蔵できる姿を追求しています」

複雑な造形ゆえ、鋳型は50以上に細分化されているというのだから、型を削り出すだけでも相当な時間がかかったことだろう。
さらに陶土を鋳込んだパーツは、乾燥してしまう前に職人の手でひとつひとつ接着して成形するのだから、こちらも職人泣かせの気の遠くなるような作業だ。
割れや傷がつくなどは以ての外。素焼きの仕上がり確認にも緊張が走る。

一連の繊細で緻密なものづくりの様子は公式動画で追体験できるのでぜひご覧いただきたい。
丁寧に製造工程を追った動画から、関わった多くの職人たちがそれぞれ専門の技術に向き合う真摯な姿に感銘を受け惹きつけられることだろう。

磁器に魂を宿す。攻殻機動隊「タチコマ鍋島焼」|Craft Process

動画はすでに40万回以上視聴いただいており、コメント欄には、素晴らしい作品であることへの賞賛や、
これだけの人手と手間と時間を掛けていることに対する驚きやリスペクトの言葉が並んでいた。

224porcelainだけでなく、動画の後半には畑萬陶苑による絵付けなど加飾表現の工程が紹介されているが、

「本来、産地では技術を秘匿し合うことも少なくありませんが、畑萬陶苑の精緻な絵付と我々の造形技術を融合させるため、今回はその垣根を越えました。
職人として20年。互いの持てる技術が結実した、まさに世界に誇れる作品ができたと確信しています。」(224代表/辻諭)

東京・虎ノ門ヒルズで2026年4月5日まで開催される「攻殻機動隊展」では、限定5体を先行販売中なので、ぜひ実物をご覧いただきたい。
YOYOYO Official Storeではグローバルオンライン販売も始まっており、すでに多くのご予約をいただいているとのこと。

全世界でトータル50体のみの貴重な磁器製「タチコマ」にぜひご注目を!

※攻殻機動隊「タチコマ鍋島焼」(磁器)詳細は、プロジェクト事例にてご紹介しています
https://www.224porcelain.com/projects/tachikoma/

文:ハマノユリコ

 

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