224 Journal

224 JOURNAL Vol.70– 224porcelain 第2スタジオに行ってみた

 

2012年に224porcelainブランドを立ち上げ、自分の窯を持ったのが2017年のこと。
(「224porcelainアトリエ訪問」参照

そして2020年、新たに第2スタジオを完成させた辻さん。
「遊びに来てくださいね」とずっとお誘いいただいていたものの、
コロナ禍にあり、訪ねる機会を逸していたが、この度やっと訪問することができたので紹介しよう。

嬉野温泉街近くの高台に構えた第2スタジオには、吉田のアトリエの隅で稼働させていたCNC切削機を移し、さらに設備を拡張。試作型や量産型など、主に型の制作を行っているというが、大きな機械が立ち並ぶその空間は、さながら工場か研究所か?といった様相だ。

クライアントワークの依頼も増えているそうで、
「最近は、CGでデザインの打ち合わせをしてイメージの確認ができたら、
3Dプリンターを使って樹脂で試作品を作り、
実物に近い形で確認してもらう進め方が多いですね。
そのあとCNC切削機で石膏を削り出し、型を制作しています」

試作型を起こして、試作品を作る従来のやり方よりも、時間も費用も抑えられるし、細部まで確認できているので、石膏型を作り直すロスが減るという。

「その代わり、3DプリンターやCNC切削機は長時間フル稼働なので、機械のメンテナンスのときにメーカーの方に『使いすぎですね』と半ば呆れられましたけど」

3D CADによる設計から型の制作、焼成まで、ものづくりの工程を一通り内製できる体制を整えたことで、完成までのスピードが格段にあがったという。

分業制が主の焼きもの産地にあって、それは大きな強みとなっているようだ。

窯での制作現場を任すことができるスタッフも増えたので、第2スタジオにこもってパソコンに向かう時間も長くなりがち。
働きすぎが心配されるが、着々と自分の城を築いていく辻さんは、やはり楽しそう。

最近、3Dスキャナーを購入したとの報告も!
なんと自分の顔をスキャンして、型を切削し、焼きもの(それもフラワーベース!)に仕上げたとのことで、話題を呼んでいる。

気になる方は、辻さんのfacebookアカウントでご確認を。
チャレンジが止まらない辻さんの活動に注目です。

文:ハマノユリコ

 

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