窯出ししたばかりの「sasso」は、さながらホカホカの石の塊。
自然の石の形をそのまま形どって製品にした「sasso」ならではの優しいフォルムだ。
もともとは、植木鉢として企画されたものだったが、
商品化されることはなく、いつしか型が放置され、忘れ去られそうになっていた。
この型を、何か別の用途にして生まれ変わらせることができないかと、
辻さんが224porcelainでともに開発を担うデザイナーの五島史士さんに相談したのが「sasso」誕生のきっかけだ。
結果、アロマキャンドルとして商品化し、
使用後はフラワーベースとして花を生けたり、苔や多肉植物を植えるなど、
ユーザーの感性でさまざまな使い方ができることを提案しながら販売をしている。
この有機的なフォルムが、多様な可能性を秘めていることを伝えたいと考えているからだ。
実際、224porcelainが協力をしている嬉野茶時のイベントでは、
料理を入れる器として採用されるなど、そのポテンシャルは大きい。
最近開催した吉田皿屋ひかりぼしのイベントでは、地元で人気のぜんざいを提供する器として使用した。
固定概念にとらわれず、器を楽しむ術を気付かせてくれる「sasso」だ。
ひとつひとつ丁寧に仕上げられた開口部には、職人の手によるゆらぎが生まれ、
より自然の風合いを纏う個体差も魅力のひとつ。
ぜひ自由な発想で楽しんでほしい。
※「sasso L」「sasso S」は224porcelainオンラインショップからご購入いただけます。
文:ハマノユリコ