「え?お菓子?」
224porcelainのアトリエで、窯出しした器を並べる棚の上に、なにやら和菓子の落雁のようなものがあった。
「辻さん! このかわいらしいアイテムは何ですか?」
花鳥風月や吉祥文様など日本の伝統美から〈うめ / ちどり / うさぎ / もみじ / きく / さくら〉を
モチーフにしたというフォルムは、まるで和菓子のよう。
それもそのはず、16世紀以来約440年、伝統の薫香技術を受け継ぎ、香りの文化を守り続ける日本香堂が、
薫香の技に和菓子作りの奥深さを組み合わせて開発した新作フレグランスだという。
佐賀県窯業技術センターで開発された新素材の多孔質セラミックを用い、
224porcelainによるデジタルデザインの型切削で、日本香堂が求めるクオリティの高いフォルムを実現。
さらに和菓子のような優しい質感を表現するため、ひとつひとつ吹き付けによる手作業で
柔らかな色味を生み出している。
今年5月にサガテレビ1階のJONAI SQUAREで先行販売され、話題を集めたこの「香菓(かぐのみ)」が、
秋からいよいよ全国販売されるという。
愛らしく優美な佇まいは、身近に飾っておくだけでも癒されるが、
好みのオイルをたらし、ほんのりと香るやさしい芳香を楽しんでみたい。
【香菓の名前の由来】
「日本書紀」や「古事記」によると、垂仁天皇の命を受けた田道間守が、不老不死の国といわれる「常世」の国に渡り
不老不死の象徴でもある「非時香菓(ときじくのかくのみ)」を探しにいくお話があります。
「1年中香りを放つ木の実」の意味を持つ「非時香菓子」は橘であるといわれ、永遠性の象徴と考えられています。
※日本香堂公式サイトより
文:ハマノユリコ
協力:日本香堂