224 Journal

224 JOURNAL Vol.19 – 嬉野茶時で器の新たな一面をみる –

《バブル》 / 非売品

 

嬉野温泉、嬉野茶、肥前吉田焼。嬉野が誇る3つの産業に携わる人々が、自らの手で魅力を伝えるコラボイベント「嬉野茶時」。
その中で、肥前吉田焼の作家として毎回器を担当しているのが224porcelainの辻諭さんだ。

2016年夏から、晩夏、晩秋、春夢と季節ごとに企画され、2017年3月に行われた「うれしの花霞」でも新たな器のあり方を披露した。

ふぶき

ふぶき

今回、2日間のみ完全予約制で開催されたフレンチ茶会を担当したのは、
中島美香園の茶師、中島弘貴氏とオーグドゥジュール メルヴェイユ博多の小岸明寛シェフ。
厳選された嬉野茶のもてなしと料理を堪能することができる特別な企画だ。

そのコース料理の中で活躍していたのが、224porcelainのふぶきシリーズだ。
素材に細かい石を混ぜて作った少しざらりとした質感が特徴で、形状自体はいたってシンプル。シンプルすぎて、224porcelainの商品ラインナップの中では目立たないシリーズかもしれない(笑)。でも毎日の生活の中では、こういった器こそ出番が多いもの。しんしんと降る雪のような表情が、やさしく料理を引き立てる。

アロマキャンドルとして販売している自然の石をかたどったsassoを器として利用しているのも新しい発見だった。改めて、器の使い方は使い手に委ねられるものだなと感じる一例だ。

 

sasso

sasso

既存商品以外にも、今回のメニューのためだけに作った新作の器が続々と登場し、出席者たちを驚かせていた。

小岸シェフが高校時代の同級生ということもあり、特に商品開発に力が入った様子の辻さん。

「いつもは自分が使いたいと思うかどうかを基準に器を作っているのですが、
料理人の方とコラボレーションして、特定の料理のための器を作ることは、自分とは違う視点でのものづくりになってとても面白いです。
こんなふうにお茶と料理と器を楽しむイベントができるのは、嬉野の財産ですね」

多くの刺激を得て進化する、これからの224porcelainのものづくりが楽しみだ。

文:ハマノユリコ

協力:和多屋別荘
http://www.wataya.co.jp

※カバー写真は、小岸シェフによる「玄界灘の天然真鯛の44度の世界-カリフラワーのピューレと焦がしバターの泡」のための器《バブル》 / 非売品

 

▼うれしの花霞のフレンチ茶会で利用した224porcelainの器たち

 

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