こんにちは。2025年最初の224ジャーナルです。
今年も224porcelainの代表で作り手の辻 諭さんに
2024年を振り返りながら新年の抱負を語っていただきました。
(聞き手・写真・文:ハマノユリコ)
−− 新作「うづら」をお披露目し、新素材「晟土」が注目を集めた2024年。
職人になりたい人の活動の場や、海外アーティストを受け入れたレジデンス事業など、
辻さんがこの数年構想してきたことが、ひとつひとつ形になってきたことを感じる一年でした。
振り返ってご自身ではどんな一年でしたか?
224としては生地作りなどの内製化を進めた大きな変化の年でした。
新しく開発した陶土「晟土」は、脱炭素社会へ向け、二酸化炭素排出量を40%削減、
強度も通常の磁器の1.5倍、不良品率1%以下という、今までにない新たな取り組みにご注目いただき
ありがたいことに少しずつ注文をいただけるようになってきました。
2025年は晟土をもっとたくさんの人に使ってもらえるようにしていけたらと思っています。
−− 2024年は窯焚き回数が294回、切削した石膏ブロックの数が359個と伺いました。
忙しすぎて体調を崩した2023年よりも増えているじゃないですか!
そうなんです。
2024年も窯焚きとデータ作りの日々で、いつも「眠いなぁ」と思ってました。
−− そんな多忙な辻さんですが、肥前吉田焼4窯元による
「肥前吉田焼産地再生チャレンジ推進協議会」なる活動も始められたそうですね。
肥前吉田焼を次世代につなげるため、脱炭素や不良品率の低下を目指す「晟土」の開発もそのひとつですし、
若手育成プロジェクトやアーティスト・イン・レジデンスにも着手しています。
2024年はトルコ、オランダ、フィンランドからのアーティストを受け入れたり、九州大学との商品開発事業なども進行中です。
まだまだ目標へは届いてませんが、着実に前に進んでいます。
−− 新年早々には、また新たなプロジェクトがスタートするとか
はい。2025年の新たな取り組みとして、肥前吉田焼産地に「マーケティング部」を作りました!
産地内外の人が参加できる「勉強会」、産地に滞在し肥前吉田焼のマーケティング施策を考えてもらう「マーケッター in レジデンス」など、
さまざまな構想をしているのですが、そのキックオフイベントが1月17日に行われます。
224の第三スタジオに併設オープンした「肥前吉田焼ギャラリー」での開催です。ぜひご注目ください。
−− 焼きもの産地に「マーケティング部」とは斬新ですね。肥前吉田焼を応援する若手のパワーを感じます。
これからの産地の活動がますます楽しみになったところで、最後に辻さんから2025年の意気込みを伺いました。
肥前吉田焼産地の目の前の問題を少しずつ改善しながら、次の50年、100年を見据えて、
今を生きる陶工として、今できることに一生懸命取り組んでいきたいと思います。
400年の永い歴史の中で何度も危機を乗り越えてきた先人たちに恥じぬよう、
若手の作家や職人が自由に活躍するような肥前吉田焼を目指して、
まずは全国区へ、そして世界中で喜んで使ってもらえるような焼きもの産地へ。
嬉野で焼きものを作ってみたい、陶芸家になりたい、職人になりたいという方がいたら、ぜひ気軽にご連絡いただければと思います。
今年も肥前吉田焼の応援をよろしくお願いします!
<「肥前吉田焼マーケティング部」キックオフイベントのご案内>
焼き物のマーケティング。
まずはライバルをチェック!する会
講師は、世界6カ国で育ち、世界のコピーライターランキング1位にも輝いたことがあるキリーロバ・ナージャさん。
佐賀県好きであり、日本の工芸好きのクリエイターの視点から、肥前吉田焼と伝統工芸のマーケティングについて、お話しいただきます。
講師:キリーロバ・ナージャさん
日時:2025年1月17日(金) 18:30-20:00
場所:肥前吉田焼ギャラリー
定員:先着30名限定
参加費:無料
https://yoshidasanchi.com/archives/event/ymc_kickoffevent