224 Journal

224 JOURNAL Vol.66 – 『きんしゃい有田豆皿紀行』で産地巡りに思いを馳せる

きんしゃい有田豆皿紀行

おうちで過ごす時間が増える日々、少しは家の片付けでもと、本棚の整理をしていて、
久しぶりに『きんしゃい有田豆皿紀行』を手に取った。

ちょうど私(ハマノ)が有田焼産地のお仕事に関わり始めた時期(2015年)に発行された本で、
佐賀県有田町を中心に、伊万里市、武雄市、嬉野市一帯で焼かれる「有田焼」の吉田地区の窯元として、
224porcelainも取り上げられている。

改めてパラパラとページをめくっていると、
ああ、この頃出会ったのだなと懐かしく思い出が蘇る。
そして、辻さん、若い!笑

本のテーマは「大きな産地を小さな皿を通して見る」。

豆皿を通して各窯元が紹介されているのだが、
あれから5年余り、ここまでの道のりを振り返ってみると、
「大きな産地(有田焼)」の中の「小さな産地(肥前吉田焼)」から
挑戦を続けてきた吉田地区の歩みが思い起こされる。

2016年の産地見学会やデザインコンペティションの開催に始まり、
受賞作品の商品化や、「えくぼとほくろ」の取り組みなどで実績と知名度を上げてきた肥前吉田焼。

224porcelainは、その後も、さまざまなプロジェクトに参加し、
肥前吉田焼という「小さな産地」から商品を通して発信を続けてきた。

コロナ禍の中、移動が制限されることも多い現状で、旅行に行くことも憚られ、
今は商品をネットで購入したり使うことで、窯元や産地に思いを馳せるのが精一杯かもしれない。

でも時期がきたら、ぜひ「きんしゃい」と言いたい。
※佐賀弁で「いらっしゃい」の意
(東京在住の私が言うのはおかしいが・・・)

気兼ねなく、産地に足を運べるようになることを祈るばかりだ。

文:ハマノユリコ

『きんしゃい有田豆皿紀行』
有田焼創業400年事業で行われた17のプロジェクトのひとつ「ARITA SELECTION」から生まれた冊子(発行:2015年)。
数ある有田焼産地の窯元の中から26窯元をセレクトし、豆皿を通してその魅力を紹介している。
http://kinsyai-arita.jp/mamezara/

 

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