イタリア・ミラノを拠点に世界約120都市以上の産地と連携し作品を制作するプロダクトデザイナー、富田一彦さん。
彼が海外で活動をするきっかけとなった代表作が「TOTTOTTO Y-pot」だ。
注ぎ口とフタがY字に分かれたポットで、木の枝の分岐や川の流れの結節点など自然界の増殖と収束を象徴的に表している。
ハンドルのつるは東西の架け橋と評され、ニューヨーク近代美術館でも販売された。
実はこの「TOTTOTTO(とっとっと)」、なんと肥前吉田焼。
さらに言えば、224porcelainの辻諭の実家である与山窯(辻与製陶所)で生まれた商品なのだ。
肥前地区のいくつかの窯元で製造の相談をする中で、富田さんと飲み仲間であった辻賢嗣さん(諭さんの父)が引き受けることになったという。
まだ辻諭さんが高校生だった頃の出会いの物語だ。
あれから約20年。今、諭さんは224porcelainで富田さんと一緒にものづくりをしている。
文:ハマノユリコ