224 Journal

224 JOURNAL Vol.14 – 地球を壊している自覚 –

今は使われていない窯跡

「地球を壊している自覚」
224porcelainの作り手である辻さんと話をしていると、たびたび耳にするキーワードだ。

「山を削って石を掘り粉砕した磁土を原料に生地をつくる。窯で焚く時には二酸化炭素が排出される。
環境を破壊しながらものづくりをしているのだという自覚を常に持つようにしています」と語る辻さんの眼差しは真剣だ。

その代償として自分は何を作るのか?

「磁器は確かに食器に適した素材ですが、器にとらわれた思考にならないように気をつけています」

ちなみに少し説明をしておくと、磁器は「陶石」と呼ばれる岩石をを砕いた粉(磁土)を高温で焼いて作られるやきもので、
「陶土」という粘土を原料に低温で焼いて作られる陶器とは異なり、水気を吸わず硬質で、汚れもつきにくい。
澄んだ白さとガラスのような滑らかさが特徴だ。

肥前吉田焼の作り手として、この地で磁器という素材に向き合い、
「暮らしに役立つもの、人の心を豊かにするものづくりとは何か」 その答えを常に模索している。

写真・文:ハマノユリコ

※写真は今は使われなくなった窯跡

 

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